Works 2012

 

ARTBOX 第18回展示 「仄見せる心」 / 髙橋知佳

   会期/2012年9月1日(土)~11月30日(金) 8:00~22:00 (※最終日は20:00まで)

   場所/JR札幌駅東コンコース・JRタワーARTBOX

「仄見せる心」(撮影:小室治夫氏)
「仄見せる心」  (撮影:小室治夫氏)

 

「仄見せる心」

 

すべての物事には、様々なかたちで相反する現象や感情が含まれていると考えます。

人によってその感じ方は、両端にある対極だったり、紙でいう表裏であったりするのだと言えますが、

相反する現象や感情のどちらかが実像、虚像ということではなく、どちらもそのものであり、

ゆえに、「世界のすべては緊張感に満ちて脆く、曖昧で揺らぎのあるもの」なのではないかと考えます。

 

ずっと抱えていた迷いや葛藤のありのままを受け入れた時、

自分が感じている混沌とした世界に形を与えたい思うようになりました。

自身が感じる世界を「編む」行為は、その混沌とした世界に「かたち」を与える作業です。

同時に、内に抱えた様々な心を吐露する行為であり、自分の中にも存在する相反する心を昇華するために、

葛藤や混乱を「ほどく」行為でもあるのです。

 

[仄見せる心]は錆びた鉄線を編んで作った作品です。

金属の冷たい皮膚に、柔らかな体温を。

永遠と一瞬を。

顔のある女性と顔のない女性。

現実世界に生きているのか、眠りの世界に夢を見続けているのか。

それは私なのか、誰かなのか。

その心は誰にも見せたくないけれど、本当は見透かして欲しいのかもしれない。

鉄の鎧は頑なに守ろうとするけれど、零れでる光が容赦なくその心をさらけ出してしまう、その脆さを。

 

物事に内包されている相反する二つの側面を、透けているけれども確かに存在する、

二人の女性の光と影で表現しました。           

 

※9月14日までJRタワー節電期間中のため、BOX内の照明に電池式LEDライトを使用しました。

   やや暗めでしたが、繊細な青白い光と影による展示となりました。

   15日(土)よりBOX内の正式な照明に切り替わったことで、全体的に明るくなり、

   作品の影が濃く出るようになりました。影も作品の一部ですので、ご覧ください。

 

 

第87回道展 - 市民ギャラリー

 

「volcano(雲をつかむ指)」

女性は、海の底に眠る火山。

記憶の中の雲を夢に見、 掴もうとするけれど掴めない。

また、雲は常に姿を変え、 それは女性の心にも似ている。